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FDD修理技術資料



・一般的なPC用ドライブについて
まずは、サンプラーで使えるドライブとの違いを確認するために、一般的なPC用ドライブの仕様を述べておきます。
…と思ったけど、ヤメた。手抜きします。
Y-E DATAのサイトにあるドライブの技術資料が大変に良いので、そっち読んで下さい(笑)
ここのページの技術資料書です。6238Dが一般的なPC用ドライブ、6239Dがオプション設定が色々出来るタイプです。

ちなみに、ここのYD-702D-6239Dの方は、ジャンパ設定によってはサンプラーのドライブとして使えそう。

・サンプラー用ドライブの設定
サンプラー用ドライブといっても、実は最近のPC用ドライブと極端に変わるわけではなく、一部の信号線のピン配列が異なってるだけです。
今回、サンプラーに載せるドライブに施した変更は、以下の3つ。

1) DriveSelect信号を10pinに割り当て(DS0)
2) DiskChange信号を2pinに割り当て(DC2)
3) Ready信号を34pinに割り当て(RY34)
※TEAC版のみ

順に解説します。まず1)から。
一般的にFDDはひとつのケーブルに複数台が接続可能で、マシンからDriveSelect信号を送ることによって読み書きドライブを指定する仕組みになっています。
このとき、どのピンにDriveSelect信号を送るかによって、
・10pin ― 1番目のドライブ(DS0)
・12pin ― 2番目のドライブ(DS1)
・14pin ― 3番目のドライブ(DS2)
・6pin ― 4番目のドライブ(DS3)
が使い分けられるわけです。サンプラーは大抵ドライブが1台だけですから、当然10pinのDS0で動かすことになります。
ちなみに一般PC用ドライブは全部のFDDがDS1で、ケーブルをねじって各ドライブに違う信号線からの信号を与えるというワケのわからん仕様になっています。(きっと工場での生産性を重視したのでしょう)

次に2)を飛ばして3)番目。
Ready信号というのは、ドライブにディスクが入っていて現在使用可能かどうか、ドライブからマシンに伝える役目の信号です。
で、これが困ったことに大抵の最近のPC用ドライブでは削除されてしまっています。ですから少し昔のTEACドライブのようにReady信号を搭載しているドライブを探すか、無理やり改造してウソのReady信号を作ってやる必要があるわけです。
今回PC用のドライブの改造では、マシン側のReady信号入力にDriveSelect信号を入力しました。つまり、ドライブが呼び出されると常にReadyにウソの信号が入ってマシンがだまされるという仕組みです。ディスクが空でもお構いなしというわけ。

最後に2)番目を。
DiskChange信号というのは、名前どおりディスクが交換されたことをドライブからマシンに伝える信号です。最近のPC用ドライブにも大抵34pinに用意されています。
ただ、なくてもPCにとっては困らないのか、時々こいつを装備してないドライブもあります。要注意。
DiskChange信号のないドライブを使うと、マシンがディスク交換を認識できず、新しいディスクを古いディスクだと思って読み書きするので、データが滅茶苦茶になります。

・TEACドライブの設定項目
今回使ったTEACドライブの設定項目は以下のとおり。
細かい内容は各自で調べてね。というか俺もあまり詳しく知らないのですよ(笑)

3列タイプ 4列タイプ
 


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DS0/1/2/3  DriveSelect信号を10/12/14/6pinから入力
RY34  READY信号を34pinから出力
DC2/4/34  DiskChange信号を2/4/34pinから出力
HA  ディスク容量自動切換え
HI2  ディスク容量を2pinからの入力で切換え
HO2/4  ディスク容量を2/4pinから出力
LHI  ディスク容量切換え入力を反転:LOWで2.0MB
LHO  ディスク容量出力を反転:LOWでHD
HMK  Half mask for INDEX/READ DATA
NMK  No mask for INDEX/READ DATA
IR  ReadyでLEDがon
ML  MotorOnでLEDがon
ACD  auto-chucking不可
REN  auto-recalibration可
HF  2MB/1MBの両モードで動作
FG  フレームをGNDに
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・TEACドライブの種類
FD-235HG (1M/1.6M/2.0M)
FD-235HF (1M/2.0M)
FD-235GF (1M/1.6M)

1.6MってのはNECのPC-98*1なんかで使われてたやや特殊な2HD。1M/2Mは普通の2DD/2HDと考えてよいです。
FD-235HGがいわゆる3モードドライブ、FD-235HFは普通の2HDドライブ、FD-235GFはPC-98*1など用と思って良いです。 サンプラーで2HD機は大抵2.0Mモードですね。1.6Mを採用してるのはCASIOのFZくらいです。
まぁ、2DD専用として使うならば、どれでも問題は無いです。

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